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電子契約とは?仕組み・法的効力・始め方をやさしく解説
電子契約とは、これまで紙とハンコで交わしていた契約を、PDFなどの電子データと電子署名で結ぶ方法です。電子署名法により、要件を満たした電子契約は法的に有効で、裁判の証拠にもなります。さらに印紙税がかからず、印刷も郵送も不要。この記事では、仕組み・法的効力・始め方までを、電子契約が初めての方向けに「5分で読める」分量でやさしく解説します。
最終更新:2026-07-02/執筆:planSign 編集部(株式会社plan8)
電子契約とは何ですか
電子契約とは、契約書を紙に印刷せず、PDFなどの電子データのまま、電子署名とタイムスタンプを付けて締結・保存する契約の方法です。合意する内容は紙の契約とまったく同じで、変わるのは「交わし方」と「残し方」だけです。
そもそも契約は、当事者の意思が合致すれば口頭でも成立します。それでも契約書を作るのは、「たしかに合意した」という証拠を残すためです。紙の契約では、この証拠をハンコ(押印)と原本の保管で担保してきました。電子契約は、その役割を電子署名・タイムスタンプ・クラウド保管に置き換えたもの、と考えると分かりやすいです。
実際の流れはとてもシンプルです。
- 送る側:契約書のPDFをアップロードし、署名欄などを指定して相手にメールで送付する
- 受け取る側:届いたメールのリンクを開き、ブラウザ上で内容を確認して合意する
- 締結後:電子署名とタイムスタンプが付いた締結済みPDFが双方に残り、クラウドに保管される
紙の契約で必要だった「印刷→製本→押印→郵送→相手の押印→返送」という往復がまるごとなくなるため、数週間かかっていた締結が最短で当日に終わります。
紙の契約と何が違いますか
いちばんの違いは「押印と郵送がなくなること」です。本人性はハンコの代わりに電子署名で、改ざん防止は割印の代わりにタイムスタンプとハッシュ値で担保します。書類の役割は同じまま、手段が電子に置き換わります。
| 項目 | 紙の契約 | 電子契約 |
|---|---|---|
| 締結までの流れ | 印刷→製本→押印→郵送→返送(数日〜数週間) | PDFをメールで送付し、相手はブラウザで合意(最短当日) |
| 本人性の担保 | 印鑑(実印+印鑑証明など) | 電子署名+メール認証など |
| 改ざん対策 | 契印・割印 | 電子署名・タイムスタンプ・ハッシュ値の照合 |
| 印紙税 | 課税文書には収入印紙が必要 | かからない(電子データで授受・保存する場合) |
| 保管 | キャビネットで原本を保管(紛失リスクあり) | クラウドに保管し、取引先や日付で検索できる |
| 印刷費・郵送費 | かかる | かからない |
電子契約は本当に法的に有効ですか
有効です。電子署名法3条により、本人による一定の要件を満たす電子署名が付された電子文書は、真正に成立したもの(本人の意思で作られたもの)と推定されます。紙の契約における押印と同じ役割を、電子署名が果たします。
電子署名には大きく2つの方式があります。「当事者型」は、契約する本人が電子証明書を取得して自分で署名する方式。「立会人型(事業者署名型)」は、電子契約サービスの事業者が、メール認証などで本人確認をしたうえで、本人の指示に基づいて署名する方式です。現在のクラウド型電子契約サービスの多くは、証明書の取得が不要で手軽な立会人型を採用しています。
立会人型については、2020年の政府見解により、サービスの仕組みが一定の要件を満たす場合には電子署名法3条の推定効が及びうる、と整理されています。planSign(プランサイン)もこの立会人型を採用し、タイムスタンプや監査ログを組み合わせて証拠性を高める構成です。
もっと詳しく知りたい方へ
電子署名法の条文の意味、立会人型と当事者型の証拠力の違い、裁判での扱いは、電子契約の法的効力の解説ページで詳しく説明しています。タイムスタンプと改ざん検知はどんな仕組みですか
タイムスタンプは「その時刻にその文書が存在し、それ以降変更されていないこと」を証明する、いわば電子の消印です。文書の指紋にあたるハッシュ値を記録しておき、1文字でも書き換わると照合が合わなくなるため、改ざんがすぐに分かります。
専門用語が続きますが、仕組みは3つの部品に分けると理解しやすいです。
- ハッシュ値(文書の指紋):PDFの中身から計算される固有の文字列です。SHA-256という方式では、文書の1文字でも変わるとハッシュ値が全く別のものになります。締結時の値と照合すれば、改ざんの有無を判定できます。
- タイムスタンプ(電子の消印):RFC3161という国際標準の方式で、信頼できる第三者機関が「この時刻にこのハッシュ値の文書が存在した」ことを証明します。あとから日付をさかのぼって作った、という主張を防げます。
- 監査ログ(合意までの記録):誰が・いつ・どのIPアドレスから文書を開き、合意したかの記録です。planSignでは、この記録を追記専用のハッシュチェーンで保存し、ログ自体の改ざんも検知できるようにしています。
さらに、締結の経緯をまとめた合意締結証明書を締結済みPDFとセットで発行するサービスもあります。紙の契約の「原本+割印」よりも、むしろ強い改ざん検知の仕組みを備えているのが電子契約の特徴です。
なぜ印紙税がかからないのですか
印紙税は「紙の課税文書」を作成したときに課される税金だからです。電子契約は紙の文書を作成・交付しないため、印紙税の課税対象にならないというのが国税庁の見解です。契約の件数が多い会社ほど、削減効果は大きくなります。
| 契約書の例 | 紙で交わした場合 | 電子契約の場合 |
|---|---|---|
| 取引基本契約書など(第7号文書) | 1通につき4,000円 | 0円 |
| 業務委託・請負の契約書(第2号文書) | 契約金額に応じて200円〜 | 0円 |
| 金銭消費貸借契約書(第1号の3文書) | 契約金額に応じて200円〜 | 0円 |
たとえば取引基本契約書(1通4,000円)を月に5件交わしている会社なら、単純計算で年間24万円(4,000円×5件×12か月)の印紙代がゼロになります。郵送費・印刷費・保管の手間も同時になくなるため、電子契約のコストメリットの中でも印紙税は特に分かりやすい項目です。
紙に出力すると課税されることがあります
電子データのまま授受・保存すれば印紙税はかかりませんが、電子契約の内容をあらためて紙に出力し、原本として取り交わした場合は課税対象になることがあります。電子で締結したら、保管も電子のまま行うのが基本です。電子契約のメリットとデメリットは
メリットは「早い・安い・なくさない」の3つに集約されます。一方で、相手の同意が必要なこと、電子化に不向きな契約があることなど、始める前に知っておきたい正直なデメリットもあります。
メリット
- 締結が早い:郵送の往復がなくなり、数週間かかっていた締結が最短当日に終わる
- コストが下がる:印紙税が0円になり、印刷費・郵送費・封筒代もかからない
- なくさない:原本の紛失リスクがなく、クラウドで取引先や日付から検索できる
- 場所を選ばない:出社しての押印が不要になり、テレワークや遠方の相手との契約がスムーズ
デメリット(正直なところ)
- 相手の同意が必要:契約は相手があってのものなので、電子契約に不慣れな取引先には説明が要ります。受信者側の登録や費用が不要なサービスを選ぶと、お願いのハードルは下がります
- 電子化に不向きな契約がある:公正証書が必要な契約(事業用定期借地契約など)や、書面での交付義務がある一部の類型は、電子化できないか個別の確認が必要です
- 社内ルールの見直しが要ることがある:押印規程や契約書管理規程を電子契約前提に改定する必要が出る場合があります
- 電子帳簿保存法への対応:電子で交わした契約データは電子のまま、検索できる形で保存するのが原則です(対応済みのサービスを選べば実務負担はほぼありません)
今日から始める3ステップ
電子契約は、いま使っている契約書のひな形を変えずに始められます。必要なのは「サービスを選ぶ」「PDFを送る」「相手が合意する」の3つだけ。特別な機器やソフトの購入は不要です。
ステップ1:サービスを選ぶ
月に1〜2件しか契約しないなら、各社の無料プランで足りることもあります。月に数件以上コンスタントに契約するなら、送信のたびに料金がかからない定額型が候補です。たとえばplanSignは月額1,980円(税込)の定額で送信件数が無制限、最初の1契約は無料で試せます。料金体系の違いは電子契約サービスの料金比較で整理しています。
ステップ2:契約書のPDFをアップロードして送る
WordやExcelで作ったいつもの契約書をPDFにして、サービスにアップロードします。署名欄・日付・チェック欄などの入力箇所をPDFの上に配置したら、相手のメールアドレスを入れて送信。ここまで、慣れれば数分の作業です。
ステップ3:相手がブラウザで合意して締結
相手にはメールでリンクが届き、ブラウザで内容を確認して合意するだけです。立会人型のサービスなら、相手側のアカウント登録は不要です。合意が完了すると、電子署名とタイムスタンプ付きの締結済みPDFが双方に残ります。受け取る側の具体的な操作は署名依頼が届いたときの対応ガイドにまとめています。
よくある質問
電子契約は相手にも費用や登録が必要ですか?+
立会人型の多くのサービスでは、受け取る側の費用もアカウント登録も不要です。planSignでも、受信者はメールのリンクからブラウザで無料で合意でき、登録は必要ありません。
どんな契約書でも電子契約にできますか?+
業務委託契約・売買契約・秘密保持契約・雇用契約など、ほとんどの契約は電子化できます。ただし公正証書が必要な契約(事業用定期借地契約など)や、書面での交付義務がある一部の類型は電子化できないか個別の確認が必要です。
ハンコや印鑑証明は不要になりますか?+
電子契約では物理的な押印は不要です。本人性は電子署名とメール認証などで担保されるため、印鑑証明書の取り交わしも要りません。画面上に印影の画像を表示できるサービスもありますが、法的な効力の源はあくまで電子署名です。
電子契約と電子サインは同じものですか?+
ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。厳密には「電子サイン」は電子的な合意手段全般を指す広い言葉で、「電子署名」は暗号技術による署名を指します。違いの詳細は電子サインの解説ページで説明しています。
締結した電子契約のデータはどのくらい保存が必要ですか?+
税法上、契約書は原則7年(欠損金の繰越がある場合などは10年)の保存が求められます。電子取引で受け取った契約データは電子のまま保存するのが原則です。planSignは締結済みPDFを無期限で保管し、取引先・日付・金額・種類で検索できます。
一部の取引先だけ電子契約にしてもいいですか?+
問題ありません。紙と電子の併用は一般的で、同意を得られた取引先から順に切り替えていく進め方が現実的です。新規の契約や更新のタイミングで提案すると受け入れられやすくなります。
